炎色がステップアップ!
高校時代、化学が好きだった41歳の芹澤さんは、炎色反応をおぼえていた。燃焼温度が上がっていくと、赤色からオレンジ色、黄色と変化し、「最後はガスバーナーの炎みたいな青色」になる、と。2014年からの3年計画で、リオ五輪の勝負の年を「青色」としたら、その前の15年度が「オレンジ色」、14年度は「赤色」と想定した。その企画はミズノ社内の了承も得た。
当然ながら、シューズの性能も同時に進化させている。研究、開発は怠りない。ミズノは動きやすさをとことん追求し、「軽さ」と「スピード(動きやすさ)」にこだわってきた。重量は、例えば、エース木村沙織のシューズは片足分、単行本ぐらいの約290gである。さらに動き出しのスピードを上げるため、靴底の構造として、「前足の内側に体重がいきやすいよう」工夫されている。
さらにはクッション性や安定性を考慮することで、ポジションごと対応できるよう、3つの種類のシューズをつくった。ウイングスパイカー(WS)の木村は「WAVE LIGHTNING」、ミドルブロッカー(MB)の荒木絵里香は「WAVE TORNADO」といった具合である。
ワールドグランドチャンピオンズカップが開催された2013年度、世界選手権開催の2014年度、赤白のユニフォーム、赤いシューズで女子日本代表は戦った。「シューズを赤色に変えて、売り上げが爆発的に伸びた」と芹澤さんは振り返る。ワールドカップ開催の2015年度が「オレンジ色」のシューズとなり、ことし5月のリオ五輪最終予選は「ブルー」のユニフォームとシューズで戦った。リオ五輪本番も両方、ブルーで挑む。