キャリア開発の機会を与えよう
目立つポジションに就きたがらないからといって、新しい挑戦を望んでいないということではない。ホートンによると肝心なのは、Bクラス社員にキャリア開発の機会を与えるべきか否かではなく、スター・パフォーマーとの対比で相対的にどれくらいの時間とカネを投じるべきかである。
シスコのニールは、能力開発予算の約15%をBクラス社員に投じ、残りをAクラス社員に使っている。ニールを含めたシスコのトップ・マネジャーたちは、2年前、Bクラス社員の能力開発にもっと力を入れる必要があると判断した。「彼らに関心を払わなければ、わが社の潜在的成長力のおそらくは70%を失うことになるとわかったのだ」。
そのためシスコは、高い潜在能力を持つ社員だけを対象にしていたリーダーシップ養成プログラムを他の社員にも開放することにした。ニールによれば、このプログラムを受講した一般社員は、スキルが向上し、会社への参加意識も高まり、離職率も低下しているという。堅実な一般社員についても彼らの強みを強化し、会社のニーズとうまく合致させるキャリアプランを作成しよう。一人ひとりと相談しながら、社員にとっても組織にとっても重要な課題や目標を盛り込んだプランを開発するのだ。
堅実な一般社員は組織の「健康と幸福」にとって欠かせない存在だ。彼らのスキルを伸ばすことで、彼らを会社にとどまらせ、長期にわたって貢献させることができるのだ。
(翻訳=ディプロマット)