Aクラスとのギャップを埋めよう
Aクラス社員は、控えめな部下を理解し、操縦するのが苦手なことが多い。ホートンは大手グローバル銀行のマネジャーの例を紹介する。このマネジャーは大口のM&Aで目覚ましい成果を挙げる仕掛け人だった。ゆえに、一部の部下が自分のような挑戦を望まず、長時間働こうとしないのはなぜか、理解できない。彼はBクラス社員の部下を無視したり、彼らにきつく当たったりしがちだった。
やがて、このマネジャーは個人コーチングを受け、認識を改めた。必ずしもすべての人間が強い意欲を持っているわけではないということ、そして、控えめなプレーヤーには別のマネジメントが必要なのだということを理解したのである。さらに、チームをAクラス社員だけで構成しないことが大切で、Bクラス社員の貢献がどれほど必要不可欠であるかということも理解するようになった。
彼は部下に合わせてマネジメントスタイルを変えることにした。たとえばバリバリ働く部下には、さらに大きな課題を与えた。一方で、さほど自信がなく、もっと明確な指導を必要とする社員には、具体的な目標と里程標を示し、ときにはプロジェクトへの取り組み方について細かい指示を与えたりもした。結果、このマネジャーの有能さに対する部下の評価は劇的に向上した。