休日のお誘いといえば、お客さまに人気の高いホステスさんほどひっきりなしに声がかかるはず。ナンバーワンホステスの塚越友子さんは「実際に多いですよ。『教えてあげるから一緒にゴルフに行こうよ』ですとか」という。でも、そんな誘いにすべてお付き合いをしていたら体が休まらず、普段の仕事にも支障を来しかねない。

「基本的には休日のお誘いはお断りします。もちろん、お客さまの気分を害しない断り方があります。『ごめんなさい』ではなく、『あっ、いいですね。○○さんと一緒に行ったら、めちゃくちゃ楽しそうなゴルフになりそうですね』と肯定的に受けとめます。次に『でも先約があって、どうしても行けません』とお断りしたうえで、『次の機会に誘ってください』と代替案を出すようにしています」

「先約がある」と明確な断りの理由を伝えれば、お客さまも納得してくれる。ただし、お客さまの深層心理を理解しておく必要はある。

「お客さまは、自分が特別なお客なのかどうかを確かめたいのです。別な言い方をすると、お店に来てお金を払ってくれるだけのお客と思われているのか、プライベートでも付き合いたい特別なお客と思われているのか、それを確かめるためにホステスを誘うわけです。ですから、ずっと断り続けているとお客さまとの信頼関係が崩れてしまいます。そこで10回に1回なり、20回に1回なりの割合でお付き合いすることが大切になってくるのです」

プレゼン話し方研究所社長の吉野真由美さんは、誘いを断る際の代替案としてユニークな「誘い直し」の効用を紹介する。

「やはり、お誘いを断りっ放しにしたらお客さまに失礼です。そこで逆提案として誘い直しをするのですが、たとえばユーモアのセンスを活かしながら、多忙なお客さまに対して、『今度、1週間ほどの米国視察に行きませんか』と切り返します。お客さまは笑いながら『そうだね、機会があったらね』と答えてくれるでしょう」

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