ゴミの出し方が間違っていた。子どもがドタバタうるさくしてしまった……。
自分のマンションの上下階、そして両隣の住人などから敵視されてしまう可能性は少なくない。
敵視されているのをそのまま放置しておくと、仕事を終えた自宅でもストレスのもととなり精神衛生上よくない。第一の対策はやはり「ごく常識的で善良な市民であることをわかってもらう」(「大人力」シリーズの著書で知られるコラムニストの石原壮一郎さん)ことだろう。
「いけないのは相手が敵意を表しているからと、こちらもそれに対抗して無視するような行為ですよね。とにかくこちらには敵意がない、攻撃する意識はない、ということを知らせるため、マンション内で顔を合わせたらはっきりとした口調で挨拶したり、会釈したりします。大事なのは相手の出方を待つのではなく、自分のほうからするということですね」(同)
作家の内藤みかさんも同じ意見だ。
「こちらがフレンドリーに接し続けていれば、相手も、敵意を抱くことに違和感を感じ、フレンドリーな対応になるのでは。笑顔を送れば相手も嫌な気持ちはしないから、自然と笑顔が返ってきますよ」
そうやって少しずつ関係が良好になったら、立ち話をしてみる。といっても共通の話題はないだろうから、最初は「天気の話」でいい。「いい天気ですね」「暖かくなりましたね」。他愛ない会話が潤滑油となるのだ。
そんなちょっとした世間話を積み重ねていくなかで、そのマンションならではの細かなゴミ出しのルールを教えてもらったり、逆に、もうじき自分の家には子どもができるといった家庭情報を小出しにしたりする。すると、相手もいらぬ不安を除去することができるというのだ。
「自分を敵視している人を敬遠するのではなく、思い切ってその懐に飛び込んだほうがいいかもしれません。例えば、ゴミ出しの方法を教えてもらったら、次に会ったときに『この前、教えていただいてよかったです』と、“お小言”を言った側を褒めることでより関係性を深め、自分たち家族の強力な味方になってもらうことも可能です」(石原さん)