一般のビジネスマンは、外科手術ほど緊張感が高まる場面はないかもしれないが、一つの仕事の中で集中すべき大切なところを見極めて、集中するところと気持ちを緩めるところをつくると、うまく集中力を維持できるのではないだろうか。

集中力を長く保つためにはやはり体力も必要だ。心臓の手術が何時間にもわたれば、その間は立ちっぱなしになる。

「最近、週に1度か2度、スポーツジムに通っています。これは兄貴の推薦でね。体力増進だけでなく、栄養面でもアドバイスがもらえるので食生活も改善できます。これはよい仕事につながっていくと思います」

いくらオン、オフのメリハリをつけても、基礎的な体力が不足していれば、集中力は途切れてしまう。日ごろから健康に留意し、体力を高めているからこそ、ここぞというところで最高のパフォーマンスを発揮できるのだ。

▼新浪博士流“集中力を保つ”4つのコツ

[1]昼食後やスキ間時間に寝る
少しでも暇があったら、本を読んだりテレビを見るのではなく、30分でも潔く寝る。そのことで頭がすっきりして次の仕事に集中できるように。

[2]前日の夜に段取りを考える
頭の中で翌日の仕事のプランを練ることで、優先事項がはっきりして、集中すべきポイントが明確に。他の作業効率もあがる。

[3]一つの仕事の中でオンオフを設ける
長時間作業となると、ずっと集中はできない。「ここが一番のキモ」と思われるところにあわせて集中力を高め、ほかでは少しリラックスする。

[4]ジム通いで基礎体力をつける
どんなに集中しようとしても、基礎体力がなければ続かない。新浪教授は実兄の新浪剛史氏推薦で週に1度か2度、ジムに通っている。

埼玉医科大学国際医療センター 心臓血管外科教授 新浪博士
1962年、神奈川県生まれ。医学博士。群馬大学医学部卒業後、東京女子医科大学大学院修了、東京女子医大附属日本心臓血圧研究所に入局。米・ウェインステート大学、豪・アルフレッドホスピタルなどに留学。2007年より現職。
(Top communication=構成 的野弘路、貝塚純一、太地悠平=撮影)
【関連記事】
3つ星シェフの“マルチタスク仕事術”
プレッシャーに負けない「仕事の先延ばし」防止法3
澤田秀雄流「時間管理の徹底」で成果100倍
あなたが「第二の新浪」になる方法
「いい集中、悪い集中」で人生は分かれる