違いはポテンシャルではなく、心構えと日々の習慣にある。熾烈なグローバル競争が激化する中、成果を出す人の特徴とは? アンケート調査が示す、歴然たる結果に激震が走る!

時の流れは速い。限られた時間の使い方によって、ビジネスの勝ち組にも負け組にもなる。エイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長は時間の過ごし方の重要性ついてこういう。

「私と同じように30年ほど前に起業した人の中には、いまだに5人、10人の規模で経営している人がいる。一方わが社は、この30年間で1万人規模の企業となった。経営にはそれぞれのスタイルがある。必ずしも私の経営が優れているとはいえないだろう。ただし、同じ30年という時間でこれだけ大きな差がつくのは、時間の過ごし方が違ったからだ。万人に平等に与えられている1日24時間という時間をいかに過ごすかによって、成果が5倍、10倍、時には100倍にもなるのだ」(プレジデント誌14/2.3)

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(上)役員以上は90%が隙間時間も「仕事」「情報収集」「読書」(下)役員以上は毎日勉強している!「1時間以上」が44%

そのためにはいかに時間を効率的に活用するかである。ブリヂストン会長兼CEOの津谷正明氏は電子ツールの必要性を説く。

「iPhone、iPad、手帳。この『三種の神器」を手に入れて、私の仕事の効率は飛躍的に向上しました。iPhoneは移動中のメールのやりとりや直近の予定の確認。長期のスケジュールを見たいときや、長めのドキュメントを作成するときなどは、画面が大きくキーボードも接続できるiPadが便利です。それから、手書きの手帳。1週間の予定が見開きになっている英国製を15年以上使い続けています。iPadでスケジュールを確かめると、3日後にエコプロダクツの講演が入っていた。ならばこの日のネクタイは緑がいいだろう。そう思ったらすぐにこの手帳に『緑』と書きます。

デジタル・デバイスだけだとこういうことができないので、アナログの手帳もなくてはならないのです。

反対に、自分は手書きの手帳と電話があればそれで十分。メールもインターネットも必要ないというのは、たとえ役員であっても認めません」(同)

時間の効率化、使い方を意識できないビジネスマンは企業に必要ないというわけだ。

自分の投下した時間のパフォーマンスがビジネスに反映できているのかどうか、その使い方を定期的にチェックしているのは、食材宅配ネットスーパーのオイシックス社長・高島宏平氏だ。

「使った時間に対してリターンはどれだけあったのかを半年ごとに評価しています。投下した時間はスケジュールから定量的に捉えられますし、その時間に対して何が得られたのかすべて書き出していきます。例えば私が3つの社内チームのミーティングに週に1回参加して、何も成果がなければ顔を出すのを1チームだけにしぼり、週3回のミーティングに増やす。ほかはしばらく私は手を出さない。アウトプットにつながる活動なのかを判断し、時間の使い方を見直していきます」

オイシックス社長
高島宏平

1998年、東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修了後、マッキンゼー東京支社に入社。2000年にオイシックス設立。13年、同社を東証マザーズに上場。
(熊谷武二=撮影)
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