こうした仕事のパフォーマンス以外にも、睡眠の重要性が叫ばれているものは多い。その1つがダイエットだ。
起きている時間が長ければ、その分、やせそうなものだが、結果は真逆。
「寝不足の状態では、食欲増進ホルモン『グレリン』が増加する一方で、『レプチン』というカロリー消費を促すホルモンが減少してしまう。むしろ体は太りやすい状態になっているのです。しかも、睡眠が足りないとハンバーガーやドーナツといった高カロリーのジャンクフードを欲することが脳科学の研究から実証されています」
ともあれ、ダイエット中はしっかり睡眠を取るべしといっても、食べては寝てという生活ではむしろ太ってしまうのはいうまでもないところだ。
加えて、昨今、注目されているのが睡眠による美肌効果だ。とりわけ、夜10時から深夜2時は「お肌のゴールデンタイム」。この時間帯に睡眠を取るのが美容によいといわれている。
しかし、「10時を回ったらそそくさと布団に入るような必要はない」と西多さんは指摘する。
「ゴールデンタイムといえるのは、寝ついてから3時間。つまり、何時に寝てもゴールデンタイムはやってきます。美容によいとされる根拠は、成長ホルモンの分泌がピークに達するため。子供の成長に欠かせないこのホルモンは、傷を治すといった役割を果たす一方で、皮膚の新陳代謝を促進させる。古い皮膚細胞を新しい皮膚細胞に移り変わらせるから、瑞々しい肌が保てるというわけです」
寝不足になると肌がカサつくのは、新陳代謝が落ちている証拠。しっかり寝れば、美しさが蘇るはずだ。