スマートフォン市場は現在、大きな転換期に差しかかっている。通信キャリア大手3社は相次いで5月に夏モデルを発表したが、今、スマートフォンを買い換えるなら、我々はどういった点に気をつけるべきだろうか。

5月11日に行われたNTTドコモの夏モデル発表会

5月10日から、携帯電話事業主要3社が相次いて夏の新製品を発表した。KDDI(au)は10日に、ソフトバンクは11日にニュースリリースを出す形で発表を行い、発表会を行ったのはNTTドコモのみ(11日)、という形になった。※

数年前まで、携帯電話事業者は季節ごとに大規模な発表会を開催するのが当たり前で、一挙に20機種以上の新製品が発表されることも珍しくなかった。しかし現在、発表そのものは規模を縮小しつつある。理由は、3社が扱うスマートフォンのバリエーション数が減ったためだ。

【※6月1日追記:本記事の掲載後にKDDIより夏モデル発表会の日程が公表され、5月31日にau夏モデル&新サービス発表会が行われました。(編集部)】

急激にラインナップが減る国内スマホ市場

今年のスマートフォン夏モデルは、NTTドコモが5機種・KDDIが2機種・ソフトバンクが3機種となった。

NTTドコモの2016年夏モデルは、スマートフォン5機種、タブレット1機種、Wi-Fiルーターが1機種

auの2016年夏モデルはスマートフォン2機種。

ソフトバンクの2016夏モデルはスマートフォン3機種。

しかも、ソニーモバイルの「Xperia X Performance」は3社すべて、サムスン電子の「Galaxy S7 edge」はNTTドコモとKDDIの2社が販売するため、実際にはもっと少ない。NTTドコモの発表会も、過去のようにハードウエアの特徴をじっくり説明するものではなく、NTTドコモ独自の工夫や展開するサービスをアピールすることが主軸。ハードウエアの説明に割かれた時間はきわめて少なかった。

そもそも、現在日本のスマートフォン市場でもっとも人気のあるiPhoneも、3社横並びの販売だ。過去にはドコモ向け・KDDI向けといったハードウエアもあったが、今は、アップルから3社に提供されるハードウエアはまったく同じものである。

スマートフォンは急速に均質化が進んでいる。簡単に言えば、技術の進歩により差別化が難しくなった、ということなのだが、ここには2つの側面がある。