身体に装着して使用するIT機器、ウエアラブルデバイス。リストバンド型のスマートバンド、腕時計型のスマートウオッチなど、様々なタイプがある。メール確認以外にも心拍数や歩数を測定して利用者の健康状態の異変を知らせたり、運動量を記録して健康維持を図るサポートをしたりすることなどが可能だ。
ウエアラブルデバイス市場は、現在急成長しようとしている。矢野経済研究所の調査によると、2013年には世界で約671万台だった出荷台数が、17年には30倍以上の2億2390万台にまで増える見込みである。実際に、アップルから「Apple Watch」が、マイクロソフトから「Microsoft Band」が発表され、新製品が次々に登場している。
しかし、国内での今後の広がりには、まだ課題が多そうだ。IT機器に詳しいジャーナリストの石川温氏は「時刻を確認するのはスマートフォンや携帯電話で充分であり、これらを使い始めて腕時計をしなくなった人もいる。再度腕時計をしてもらうには、スマートウオッチを装着しないと得られない利便性を提供できるかが鍵となるだろう」と指摘する。メーカー側がウエアラブルデバイスの決定的な使い方を提示することが、普及には必須といえそうだ。
(ライヴアート=図版作成)