平社員では1.5倍、CFOでは3倍以上の給与の開きが、ロンドンと東京にはある。人材紹介・派遣会社のロバート・ウォルターズが、ロンドン、ニューヨーク、東京の3都市における経営・財務分野での年収を比較している。
調査によると、CFOの年収の平均は、最も高いロンドンで9000万円、東京は2500万~5000万円。東京は日英バイリンガルの人材を対象とした数値にもかかわらず、全体的に給与水準が低く、特に役職が上がるほど他都市との差が大きかった。
同社のデイビッド・スワン日本社長はこの理由について、「多くの欧米企業では業績に応じて給与も上昇します。しかし、日系企業では業績連動しない基本給の割合が大きいのです。加えて、日系企業は取締役や役員は会社の中からの昇進が多いですが、欧米では社外からの転職が多く、その際に給与が上昇する傾向にあります」と指摘する。
今後の日本の給与水準については、「日本でも取締役などの給与は、将来的に欧米並みの水準に近づくと考えています。日系企業のグローバル化に伴い、給与などの待遇を欧米並みにしないとエグゼクティブレベルの優秀な人材を獲得していくことは難しいでしょう」と予測している。
(ライヴアート=図版作成)