「99%」と「101%」の小さくて大きな違い
月曜日の朝、「また長い1週間がはじまるのか」と気分が落ち込む人と「よし今週もがんばろう」と意欲を持てる人――両者を比較した場合、人生のなかで仕事から学ぶことに大きな差が出ます。
受け身の姿勢である前者にとって、仕事はただの義務になってしまいます。仕事を楽しむどころか、つらく苦痛になるかもしれません。それでは、人生の限られた貴重な時間がもったいないと感じます。
逆に前向きな気持ちで仕事に向かうことができれば、仕事が自分を成長させてくれることを実感できます。仕事が人間性を高める機会を与えてくれるのです。そう考えることができるようになれば、仕事に対する意識が変わります。これは私の体験からえた実感でもあります。
私はこれまで全力を尽くして仕事に邁進してきました。
いまでこそ、会社が存在できるのは社員のおかげという信念を持っていますが、20代のころはじめて7人の部下を持ったときは、部下一人ひとりの事を考える余裕はありませんでした。20代の私に「部下をどう育てるか」という発想は無かったような気がします。当時は、与えられた仕事をいかに完璧にこなすか。それだけを考えていました。
当時から私は自分に100%の力があれば、毎日105%以上の力を発揮することを心がけて働いてきました。時には150%や200%の勢いで走ることが続いた時期もあったと思います。
一方で、100%の力があるのに、90%や95%でいいやと妥協すれば、自分の成長には繋がりません。99%と101%の違いは2%の違いではありません。99%は与えられたことを淡々とこなせばよいという受け身の気持ち。101%を超えれば気持ちは前向きになり仕事を楽しめる領域に入れます。気持ちの持ち方だけで、プラスかマイナスかに大きく変わる。それは完全に相反することなのです。
※本記事は書籍『いばる上司はいずれ終わる』からの抜粋です。