Qなぜ高級ファッションを着こなす男に騙されるか
(a)雰囲気にのまれるから (b)服で相手の収入を測るから

大人の女こそ高級服に騙されてしまう

バブル期に「高い服ほどいい」という刷り込みをされた女性たちは、男性が着るものの値段を気にします。服や着こなしを見て、生活レベルや経験値を測るのです。50代のプレジデント読者が目の肥えた同世代の女性を落とそうとするなら、それなりの高級ファッションで武装する必要があるでしょう。

しかし、「ファストファッション」を喜んで着てきた20~30代の女性たちは、目立つブランドロゴがあれば「あ、アルマーニだな」と気づく程度。それがプラスになるわけではないのです。バブル世代を見ながらも、体験しなかった40代前半の女性たちは、高級ファッションに拒否反応を示すことさえあります。「高い服はよくわからない」というコンプレックスから、パリッとした男性に気後れしてしまうのです。自分より若い女性を落としたいなら、服の値段は一切関係ない……とは言いませんが、ブランドで固める必要はないでしょう。

とはいえ、女性からどう見られるかに関係なく、「服装より中身だ」と逃げていられるのはお金のない30代まで。40代以上の男性は、あまりチープなものを着るべきではありません。見た目も本人の価値の一部となり、ビジネスに影響するからです。服の値段以外で見た目を左右するひとつめの要因は「メンテナンス」です。

私たちが実験したところ、正しいブラッシングを行った4万円のスーツが、ずさんな管理の10万円のスーツより高級に見えたという結果もあります。男性はまず、スーツの正しい手入れ法を学びましょう。次に学ぶべきなのは、シャツのアイロンがけと靴磨き。日々のルーティンに組み込んでしまえば、自然とこなせるようになります。

もうひとつは「サイズ」です。男性は、自分が若い頃の流行のサイズを引きずりがち。たとえば、40代以上の男性は体に対して大きめのスーツを着続けていますし、今の20~30代の男性は流行が去ってもタイトなスーツを着るでしょう。服を買うときは、自分がいつも着るものよりワンサイズ大きいものと小さいものを同時に試着する習慣をつけてください。3サイズ試着すると、自分のジャストサイズがわかります。

絶対にしてはいけないのは、彼女に服を選ばせることです。感覚だけで「かわいい」と言う人間に、大切な自分の見た目を任せないでください。服に関する教育が行き届いた百貨店やセレクトショップに行き、靴をきれいに磨いている男性販売員を探すこと。彼らなら、有益なアドバイスをくれるはずです。

パーソナルスタイリスト 政近準子
ファッションレスキュー社長。日本で初めて一般人向けの「パーソナルスタイリング」を行い、会社全体で延べ1万人以上のスタイリングを行う。『チャンスをつかむ男の服の習慣』『人生は服、次第。』など多数の著書を持つ。
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