音声認識機能を持ち、会話によって人とコミュニケーションを取ることができるロボットを「コミュニケーションロボット」と呼ぶ。ロボットスタートとロボットドットインフォの調べによると、コミュニケーションロボットの2015年の出荷台数は約10万6000台程度。それが、5年後の20年には約265万台にまで増加するという。市場規模は2406億円、世帯普及率は5%になると予測している。
音声認識エンジンで知られるファブレス半導体メーカーのレイトロンは、2016年度から高齢者向けのぬいぐるみ型コミュニケーションロボット「Chapit(チャピット)」を発売する予定だ。価格は税別13万円。利用者の予定や生活リズムを把握させ、指定の時間がくると「お薬は飲みましたか」「食事は取りましたか」といった形で確認してくれるという。加えて、テレビや家電の操作も、このロボットとの会話を通じて行うこともできる。クイズを出して利用者の脳トレも促すなど、多様な機能もある。
同社新事業推進部の担当者は「Chapitは高齢者向けですが、音声認識技術を使って会話するロボットには幅広い需要が見込めます。1人暮らし向けの簡単な会話相手やペット用途など様々なタイプのロボットを開発する計画です」と話す。
(大橋昭一=図版作成)