本書は代議制民主主義、つまり民主的に選ばれた政治家を通じて政治を行うことの本質と、その歴史を著している。大衆民主主義が定着するまでは、議会とは利害や考え方の異なるエリート同士による討議の場であり、政治思想的には自由主義の側面が強かった。しかし、財産の多寡や血統に左右されない民主主義が定着すると、代議士は政治的な資質とは別に「民衆との同質性」を求められるようになってくる。それが不十分だという理由から、ときに激しい批判にさらされるのが現代だ。

自由主義と民主主義の2大原則は、代議制民主主義においてバランスされなければならない緊張関係にある。その関係を著者は徹底的に解き明かしていく。とりわけ秀逸なのは、序章と過去を扱った第1章だ。政治と経済を関連付け、各国を横断して読み解く叙述には深みがある。

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