民主党政権誕生に若者が手を貸した!
公職選挙法が改正され、選挙権を得られる年齢が18歳以上に引き下げられるようだ。
誰も批判する人がいないのが残念だが、この法改正に私は反対だ。18歳といえば、高校3年生か大学1年、浪人生や社会人1年目が大多数だ。周囲を見渡してみれば選挙権を得るのは20歳でも危うい。できることなら18歳に引き下げるよりも、衆院の被選挙権と同じく25歳に引き上げるべきではないのかと考えていたのだが、世界の主要国では18歳から投票を認めている例が多く、若者の政治参加が必要という声が多数派となり押し切られてしまった。
国立国会図書館の調査によると、選挙権が得られる年齢を18歳かそれ以下としているのは世界の176カ国。国連加盟国が193なので、ほとんどが18歳で投票できることになっている。ちなみにオーストリアは16歳からだ。北欧などでは被選挙権も18歳に引き下げられていて、国会や地方議会に当選した高校生もいるという。どんな仕事ぶりなのか気になるところだ。
私はかつて女子大の客員教授としてこの年代の若者にかかわったことがあるが、彼女たちが日本の将来について、きちんと判断できるとはとても考えられない。まじめな学生もいたが、現職の総理大臣の名前も知らない、授業中にスマートフォンで友人とのやり取りに没頭する、そんな学生たちに悩まされたものだ。
もしかしたら、立派な18歳もいるのかもしれない。しかし、周囲を見渡してみれば、現実社会をろくに知らない、働いたこともない、本も読まない、新聞も読まない若者が数多く存在している。こういう若者に権利ばかりを与えていいのか。義務を果たせと大声で叫びたい。しかし、選挙権の年齢引き下げが決まった場合は、彼らがきちんと義務を果たすために何が必要なのか、ここであらためて考えておきたい。