さらに、彼はTOEIC教材の一歩進んだ使い方を提案してくれた。
「『TOEICテストで使われる表現は70%が再利用される』という説があります。それに例えば、メールで使う表現や契約書の文面などは、ビジネスにも即役立ちます。『マークシートを塗りつぶすこと』を目的にTOEICの教材を使うのではなく表現集として使えば、本モノの英語力が身につきます。そう思えば『覚えよう』というモチベーションも上がりませんか?」
点数UPは必須だが、「数カ月で」ということでなければ、そうした長い視点で勉強に取り組むほうが賢い。
メール――良質な型をうまく踏襲する「モデリング」術
英語を話す機会は少ないが、メールを書く必要はある人も多いだろう。松本氏がすすめるメールライティングの攻略法は、いい例をマネる「モデリング」というもの。
「良質な型をうまく踏襲しましょう。ネーティブからのメールをコピペして応用したり、上司や先輩に添削してもらったりできると理想です。また『TOEIC SQUARE』のポッドキャスト『TOEIC English UpgraderR+』では様々なテンプレートを学べます。『Best Teacher』『QQ English』などでも添削などの各種オンラインサービスが揃っています。英文ライティングの立派な本を購入しても、実際の仕事で使えるのは数ページしかないはず。それより自分用の英語表現ノートに自分に必要な言い回しや慣用表現をストックしていくのです」(松本氏)
メールで注意したいのは、「言葉の丁寧さの度合い」と菊間氏は指摘する。
「英語には謙譲語や尊敬語はありませんが、丁寧語に当たるものはあります。『please』を付ければ丁寧になる、と思っている人もいるかもしれませんが、ニュアンスとしては命令形に近い。『文法的には正しいが自然に聞こえない』というミスを避けるには次の洋書が最適です。『Writing for the Real World 2 Student Book』(Oxford Univ Pr)」(菊間氏)