人によって「必要な英語」はまったく違う。「ニーズ」をキーワードに学習分野と使うテキストを絞って浮気せずに続けさえすれば、きっと効果を実感できるはずだ。
「インド式」「サンドイッチメソッド」など、英語学習法は引きも切らない。様々な英語学習法に飛びつき、目移りしては挫折することを繰り返してきた人も多いだろう。
英語学習コーチ・松本秀幸氏はこう断言する。
「世の中に“悪い教材”は存在しない。でも、学習法の“トレンド”に流されるのは時間のムダです。相性の悪い教材を選んでしまったがゆえに長続きせず、挫折感や劣等感を植えつけられる人が多いのです」
そこで提案したいのは「自分式」だ。具体的には「目下、自分に必要な分野を見定め、自分に合った学習法に3カ月集中する」というもの。「基礎体力をつけ、練習試合に臨み、本番に挑む」という3つのステップを踏む。
ここで大切なのは目標や学習教材を思い切って「絞る」こと。『英語を学ぶのは40歳からがいい』の著者、菊間ひろみ氏はこう明かす。「俳優・渡辺謙さんは43歳のときに米映画『ラストサムライ』出演のオファーを受け、英語を猛勉強、あっという間にマスターしました。目標が明確なら、何歳からでも上達します」(菊間氏)。
さて次の7つのうち、あなたに必要なのはどれだろうか。
TOEIC――急ぎで点数アップが必要なら公式問題集へ直行!
「昇進のためなど、TOEICのスコアアップが必要なら、“真の英語力”はさておき、点を稼ぐことに集中すべき」
これが2人の共通見解だ。まず筆記対策について、菊間氏はこう説明する。
「問題集から傾向をつかみましょう。そのためには、少し高価になりますが公式問題集がおすすめです。最初の関門は文法問題。品詞の問題が一番出るので、品詞の区別の問題は100%正解を目指しましょう。リーディングは『速く読む』というよりもむしろ、『大意を速くつかむ』練習を。大意は文章の最初にあります」
一方、リスニングテストの対策について、松本氏の助言は以下の通りだ。
「リスニング力アップのためには、自分がどこでつまずいているのかを認識して対策を立てるべきです。音が聴き取れないなら対訳を見て理解する。速さについていけないなら、教材の再生速度を調整しましょう。クリアできたら、2倍速でリスニングを。2倍速に慣れてから標準に戻すと、高速道路から一般道に降りたような“余裕”を感じるはずです」