エジソンがベルトをしなかった理由
ちなみに究極のゆったり派は、発明家のトーマス・エジソン。
「45年間、1日18時間馬車馬のように働いた伝説が残っていますが、その秘訣は血管を圧迫しない衣服を身につけることでした。血行が悪くなると効率が落ちると感じていたらしく、仕事中はタイトな服やベルトを避け、大きな白のシャツを着用していたようです」(著名人の行動習慣をまとめた著書がある理学療法士の濱栄一氏)
それに対して、40歳以上の経営者はかっちり派が多い。休みの日に近場に出かけるときも、ジャケット、スラックスの組み合わせが中心だ。
「いつもスーツを着て、デパートでしか服を買わないようなビジネスマンは、うまく着崩せないのです。でも糸井重里氏や、建築家の隈研吾氏は普段スーツを着ないから、カジュアルを着てもおしゃれに見えるのですね」(國貞氏)
ifs未来研究所所長の川島蓉子氏は、日本の歴代政治家がカジュアルウエアを上手に着こなせない中、小泉純一郎元首相だけが似合っている理由を考察している(『洒落男な時代』PHP研究所)。いわく、「普段から『仕事以外の生活をどれくらい楽しんでいるか』が、カジュアルが似合うか否かを分ける」。
確かに小泉元首相はオペラや歌舞伎鑑賞を好み、公務と私生活をはっきり分けてエンジョイしてるように見受けられた。ゆったりした服を着こなすには、休日、ゆったりした気持ちになる必要があるのだろう。
ところでカジュアルな服装といえば、黒いタートルにジーンズのスティーブ・ジョブズが印象的だが、フェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグは、グレーのTシャツを愛用。同じ服をたくさん所持している理由を、「何を着るかを決めることに、エネルギーを費やしたくない」と語っている。これもビジネスマンの究極の発想か。
調査概要●年収1000万円以上で「自分は幸運だ」と思っている人(幸運者)と、年収300万円以下で「自分は不運だ」と思っている人(不運者)、各100人にアンケート調査を実施した。