ネットで、私がお勧めしているのが国立がんセンターのHPです。がんとは何かから、最新の臨床研究などの情報までわかりやすく解説されています。これを入門編に、慣れてみてはどうでしょうか。

ほかにも、全国に397カ所あるがん診療連携拠点病院の相談窓口で、無料で相談や情報提供に応じてもらえることも覚えておいてください。

セカンドオピニオンも情報収集の一つですが、まずはファーストオピニオンです。自分の病気はどういう状況で、どんな治療法を勧めるのか、その効果とデメリットは何か、最初の診断内容をしっかり聞き、考えたうえで他の医師の意見を聞くべきでしょう。

そのときには何を聞きたいのか明確にしましょう。セカンドオピニオンは保険がききません。30分約3万円かかるところもあります。無駄にならないよう、準備していきましょう。

患者に必要なのは、励ましではない

次に、がんと向き合うにはやはり、家族や友人のサポートが力になります。

患者に必要なのは、励ましの言葉より、「寄り添い」だと感じています。私が入院したのは33歳で、仕事もプライベートも充実していたときでした。先のことが見えなくて苦しんでいる私に、「前向きにならないとダメよ」といった人がいました。励ましだとはわかっていましたが、自分を否定されたように感じました。

日本人は東日本大震災で、辛い思いをしている人に「がんばれ」といってはいけないことを学びましたよね。不安や苦しみを感じていることを否定せずただ寄り添ってくれる人の存在が、むしろありがたいのです。自分がサポートする立場なら、具体的に何かできることがなくてもいい、黙ってそばにいるだけでもいいのです。できるだけ自然に寄り添ってください。ささやかに見えますが、それが患者には病気と闘う大きな力になるのです。

これは、患者だけでなく、患者の家族に対しても同じです。第2の患者と呼ばれる家族も、さまざまな不安や苦しみを抱えています。周囲の人は家族にも心を寄せてほしいと思います。