炭酸のシュワシュワは甘さを感じさせにくいから、糖分増量

さて、私たちがエネルギー源として利用できるのは(1)炭水化物(お米、パン、いも、など)、(2)脂質(なたね油、ごま油ほか液体の油や、バターなど)、(3)たんぱく質(肉、卵など)の3つです。

砂糖、ブドウ糖、果糖などの甘い「糖」は(1)の炭水化物の一種で、口に入れた後は小腸で速やかに吸収され、体内でエネルギーに変わります。エネルギーに変わるまでの速さという点では、「糖」の右に出るものはありません。

アメリカのスーパーで目撃2:まず、「青色」にビックリ。しかも、他の色よりも青色の占める割合が大きい。アメリカ人が食欲をそそる色の1つが「青」とは、本当だと思って。さらに、1本約355mlのジュースが2本で1ドル!1本、60円です。安いから、飲み過ぎるのかも。

「糖分が入っている」と聞いて気にする人もいますが、健康な人が適量の糖分を摂る分には全く問題はありません。むしろ、エネルギーに変わるまでの速さを上手に利用すれば、エネルギー不足で頭が働かない時や体が疲れた時の疲労回復に役立ちます。また、食事前に糖分を少し摂れば空腹感が軽減されるので、食べ過ぎ防止にもつながります。

糖分が問題になるのは、取り過ぎた場合です。

エネルギーとして消費されなかった糖分は中性脂肪に変わるので、取り過ぎは、肥満や心臓病、糖尿病の発症リスクを高めます。また、糖分を摂り過ぎると、尿で排泄されるカルシウムが通常よりも多くなるので、骨粗鬆症や尿結石の原因にもなります。

甘いジュースなどの飲料を大量に飲み続けた時には「ペットボトル症候群」と呼ばれる「急性の糖尿病」を引き起こすこともあります。糖分は“諸刃の剣”と心得て、“甘い誘惑”に負けないよう、取り過ぎに気をつけたいものです。

▼ウォッチ(1)甘い飲み物に含まれる、目に見えない糖分

コーヒーはブラックにしているのに、甘いジュースを好む人をしばしば見かけます。心当たりのある人は、コーヒーに入れる砂糖を気にする前に、ジュースなどに含まれる“目に見えない糖分”に目を向けましょう。

スーパーやコンビニ、自動販売機などで販売される「アルコール分1%未満の飲料」を、一般に「清涼飲料水」と呼んでいます(食品衛生法の定義)。各商品に含まれる糖分の量は、ラベルに表示されている栄養成分を見るとわかります。清涼飲料水の場合、「糖質」あるいは「炭水化物」の項目に記載されている数値が、基本的に“目に見えない糖分”の量です。

たとえば、健康イメージの強い野菜ジュースの場合。加工する際に「糖」を加えていなくても、原料である野菜にもともと糖分が含まれています。このため、コップ1杯(200ml)でスティックシュガー約3本分(1本3g=小さじ1杯分の砂糖)に相当する糖分が入っている商品もあります。コーヒーに入れる砂糖の量を迷っている場合ではありませんね。

糖分を気にする人は、飲むとシュワシュワッとする“甘い炭酸飲料”にもご用心です。シュワシュワッの刺激が甘味を感じにくくさせるため、糖分の量は他の飲み物よりも多いのです。炭酸飲料コップ1杯(200ml)の糖分の量は、スティックシュガー8本分以上の商品もあるくらいです。

暑い夏以外も、運動して汗をかいたり、旅行したりするときには、甘い炭酸に手が伸びることも多い。炭酸が喉を通り過ぎるおいしさは何とも言えませんが、飲み過ぎとそのまま中性脂肪化・肥満の恐れがあることを、くれぐれもお忘れなく。