ビール業界に君臨する王者スーパードライ!
図を拡大
ビール業界に君臨する王者スーパードライ!

セブン&アイ・ホールディングス本社での本部商談。加工食品部デストリビューターの柳井剛と膝と膝を突き合わせるようにしてチラシのアイデアを練る。柳井は酒全般を扱う販促のスペシャリストだ。

「値段だけで勝負するわけにはいきません。加えて、自分がお客の立場なら、6缶1068円とチラシだけ打たれても、あまり気持ちは動きません。安いから買ってください、ではなく、こうすればさらに美味しく飲めますよ、という提案が大事です。チラシに、ビールの美味しい注ぎ方や『グラスをキレイに磨く』、さらには『簡単にできる本場ドイツ料理』のレシピまで載せる。ヨーカ堂では豊かな食のシーンも一緒に手に入る。そんな感じがいいですね」

柳井は、遠藤に「なにか新しいことが起きていないか、ちょっとしたことでもいいから教えてほしい」と情報の提供を呼びかけている。数字には表れにくい消費者やマーケットの動向を察知したいのだという。

「じゃあ実際にお客様に満足いただける銘柄は? と考えると、やはりスーパードライの力は大きい。気温が上がり、蒸してくる頃に伸びてくるのです」

池田史郎氏(アサヒ)
写真を拡大
池田史郎氏(アサヒ)

アサヒビール、マーケティング本部長の池田史郎はこう話す。

「新ジャンルに顕著ですが、いろいろな銘柄を飲んでいる消費者は、ブランドをすぐにスイッチする。しかし大きなブランドのコアユーザーはあまりスイッチしないんですよ。

過去にシェアで、アサヒがキリンを大逆転したときは、キリンさんがスーパードライの伸長に慌てて、ラガーを生にした。味を変えてしまったキリンは、新たな顧客を得るどころか、コアユーザーを失ってしまった。

そういうことを見てきていますから、ドライはコンセプトを変えない。20年間、味を一切変えていないのもそのためです」

20年かけて築きあげ、守り抜いてきた王者のイメージが最大の強みだ。(文中敬称略)

※すべて雑誌掲載当時