【田原】映像でコミュニケーション?
【森川】映像文化は時代とともに変化しています。映画しかなかった時代は、みんなが劇場に足を運びました。テレビに主役が移ると、視聴者が映像を受け止める時代になった。そしてここから先は、映像のつくり手と受け手がインタラクティブにコミュニケーションする時代になります。
【田原】テレビの時代は終わりですか。
【森川】終わりというわけではありませんが、視聴者の年齢層が上がっていることはたしかです。テレビ局はそれに合わせて番組をつくるので、若い人はますますテレビを見なくなります。このままでは若い人が共感できるメディアがなくなり、日本はどんどん元気をなくしてしまう。そうした危機感から、C CHANNELを立ち上げました。
【田原】森川さんはテレビにかわる、若者向けの映像メディアをつくろうとしているという理解でいいですか。
【森川】そうです。いま僕たちがやっているのは、女性向けの動画ファッションマガジンです。ファッションやお店、グルメ、化粧品、旅行など、いわゆる女性誌に載っている情報を動画化して発信しています。
【田原】どうして女性誌なのですか。たとえばスポーツとか他の動画メディアも考えられますよね。
【森川】新しいものに対する反応が一番いいのは若い女性です。男性は保守的なところがあり、新しいものを前にしても何かと理由をつけて距離を置きがちです。一方、若い女性は「あっ、これ、いいね」と素直に受け止めてくれる。そうした違いを考えると、まずは若い女性をターゲットにした映像メディアがいいかなと。
【田原】女性誌の動画版ということは、記者がいるのですか。
【森川】動画は、クリッパーと呼ばれるモデルさんやタレントさんがスマートフォンで撮影して更新します。たとえば自分の好きなお店とか、今日のファッションのポイントとか、旅行に行ったときにこんなスポットが楽しかったなど、ブログに書く内容を動画で紹介するイメージです。
【田原】動画を撮る人がいれば、それを見る人もいますよね。見る人は、何を使って見るのですか。
【森川】スマートフォンやタブレット、パソコンですね。