──超高速グリーンや、高難度のコースでプレーすると何が変わりますか?
ガラスのグリーンで注目のカレドニアンGC。世界的に知られるJ・M・ポーレットの設計で、リンクスとアメリカンタイプをミックスしたコース。点と点をつなぐ面白さと、うねりのある速いグリーンとで難易度は相当高い。

カレドニアン、富里両コースの標語は「TAM ARTE QUAM MARTE」といいまして、これは古代ローマ軍が掲げたラテン語で「力と同様に技も」という意味です。スコットランドのロイヤル・トルーンGCでその言葉を見つけ、名誉支配人の許可を得て標語にしました。ゴルフは自然との闘いであり、そこを攻略するには力だけでなく、頭脳、知性、精神力など総合力を必要とするもの。世界の名コースはこれらのコンセプトを備えています。速いグリーンや難易度の高いコースでは、ゴルフが奥の深い知的なゲームになります。私はマスターズや全米、全英オープンなどを見るにつけ、ゴルフを格闘技と感じていますが、つまりは人間力のすべてを露わにする。それがゴルフの面白いところであり、怖いところでもあります。

──日本のプロが世界に通用しないのは、安易なコースに慣れきった知略の欠如だったわけですね。ぜひ本当に強いゴルファーを育ててください。
東京グリーン 富里カレドニアン会長
早川治良
(はやかわ・はるよし)
1936年1月生まれ。慶應義塾大卒。81年東京グリーンを設立し、ゴルフ史家の摂津茂和氏、ゴルフ評論家・コース設計家の金田武明氏(共に故人)の意見を参考に「技と知力を必要とする世界レベルのコース」の理念の下に富里GC、カレドニアンGCを建設。
富里ゴルフ倶楽部http://www.tomisatogolf.net/
カレドニアン・ゴルフクラブhttp://www.caledoniangolf.net/
(宮崎紘一=インタビュー・構成 細田榮久=撮影)
【関連記事】
なぜゴルフをすると仕事も人生も充実するのか
したたかな欧米人「日本柔道はなぜ勝てないか」
パットの練習よりも大切な「データ」の分析と活用
東京オリンピックを100%楽しむには
『ゴルフから学んだ誇りある生き方』