「残念ながら今、介護は少ないサービスの取り合いになっています。介護費負担を心配する人も多いのですが、大事なのはお金よりも介護サービスを上手に活用するための情報です」(おちさん)

例えば介護保険制度では、訪問介護やデイサービスなどのよく知られたサービス以外に、要介護度ごとに決められた自己負担の月額上限を超えた分が戻ってくる「高額介護サービス費の支給」などの負担軽減措置も用意されている。

「2015年度には、一定以上の年収がある人の自己負担率が1割から2割に引き上げられるので、こうした制度を知らなければ損をすることになります」(おちさん)

介護の情報戦を制するためには、「地域包括支援センターを利用して情報を集めておくことが大切です」と、おちさん。「包括」は介護保険の手続きや介護サービスの手配などを行う介護保険の窓口だが、高齢者の生活全般を支援するサービスを展開している。

「一番ハッピーなのは少しでも長く元気でいること。『包括』では認知症や転倒防止の予防講座なども実施しているので、元気なうちから参加しておくといいでしょう。日頃から相談に行っておけば、『いざ介護』というときにもより素早く的確なアドバイスを受けられます。ますますサービスの取り合いが進む中で『介護流民』にならないためにも、半歩先の準備を心がけてください」(おちさん)

【ANSWER】「包括」との早めのコンタクトが鍵です。

ジャーナリスト・高齢者問題研究家 おちとよこ
介護、医療、子育て、それにまつわる家族や女性問題を中心に執筆や講演等で活躍。自身も両親を16年介護した経験を持つ。
 

 

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