大竹さんと約3年、顧客を訪ね歩いたFPで現在、中野・杉並エリア担当の川辺靖修営業部長は、彼女が「卓越した成果を残せる理由は3つある」と話す。

「1つはお客様のこれからの人生ストーリーをつくれること。お客様との関係がしっかりしているからこそできる。2つ目は、現場へ行く前からお客様とのやり取りではどんな反応が返ってきてどう切り返せばいいか、シナリオができていること。成功できるかどうかの7、8割は事前準備ができるかどうかにかかっています。3つ目はお客様のことを考える習慣ができていること。電車に乗っているときも主婦業をしているときも1日20時間くらいはお客様のことを考えているのではないか」

何が顧客のためのベストなのか。足りない知識はFPや不動産担当者など専門家を連れて顧客を訪ねることで補う。自分でわからないことがあればすぐに周囲に聞く。顧客を待たせなくて済むし、聞くところが増えれば間違った情報は少なくなる。

人情が息づく下町で顧客の話を聞き、誠実の限りを尽くす。顧客が納得して買った投信も、金融危機で資産が減少すれば商品を紹介した責任を詫びる。その潔さ。常に顧客の立場に立って考え、日々、顧客との絆をしっかり結んでいる大竹さんの姿勢にセールスの原点を見た気がした。

※順位は『日経市場占有率2009年版』調べ

(大杉和広=撮影)