仕事のプロセスを細かく分解し、明確にする力

「モノや情報が溢れ、お客様が商品・サービスの選択に悩む時代です。以前からの御用聞き営業や、モノ売り営業では通用しません。営業の役割は、売ることではなく、お客様のニーズを満たすことです。そのニーズを満たす手段として自社の商品やサービスを紹介し、結果として購入していただくことです。私たちはこれを『ソリューション営業』と呼んでいます」(野部氏)

営業は5つのステップ(次ページにて紹介)に分解されると述べた。そして、各ステップにはそれぞれ求められるスキルがある。一口に「訪問件数を増やせ」と指示されても、ステップごとに訪問の目的も異なり、冒頭に述べた6割の「行動に移せない」人たちにとっては何の指示にもなっていない。訪問の目的に応じた具体的なスキルを与えない限りは行動につながらない。

ステップの分解と具体的スキルの提示は、プロセスの「見える化」ともいえる。

「見える化」はどこが問題で、何が重要かを明確にすること。これはあらたな気付き(発想)へとつながり、あらたな気付きはプロセスに反映され、具体的なスキルが生まれ、よりよい営業行動につながっていくことになる。

「ステップ&スキルは見える化のための型づくりです。当社では『5ステップ70スキル』を標準として提供していますが、導入企業様の実態や経過期間に応じて、24スキルや16スキルで運用するケースもあります」(野部氏)というように、「型」は固定化したマニュアルではなく、発想によって自在に変化していくのだ。

お客様のネガティブな状況(抵抗)を打開するスキルも必要だ。予想される抵抗も多くは「型化」することができる。慌てずに応対できるだけでなく、お客様が抱いた不安や誤解から、トークの改良点も見つかるはずだ。