SNSのなかで一番怖いのはツイッター

SNSはクルマと同じでとても便利ですが、失敗すると大事故を起こします。SNSは今、無免許運転が横行している状態です。現在のところ、問題が起きても、会社の教育体制の不備が指摘される例はほとんどありません。むしろ、バイトや従業員の軽率な行動で、謝罪会見をしたり、閉店に追い込まれる企業に同情する声のほうが多いようです。

問題となるのはほとんどがツイッターです。匿名性も高く、公開性も高く、手軽に書き込めるため、発言の心理的負担が少なく、大事なことを軽はずみに書いてしまう傾向があるようです。代表的な事件のひとつとして、一流ホテルの飲食店でバイトしていた女子大生が、有名人のデート現場をツイートし、それが拡散してニュースになり、支配人が謝罪する騒ぎがありました。

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2013年、従業員の悪ふざけがSNSで拡散した例

実は彼女のフォロワーは100人もいません。少人数の友達に向けてつぶやいたつもりでした。でも、偶然見つけた愉快犯たちが「これは面白いネタになる」と飛びついたのです。しかも、拡散されたのはデートのスクープだけでなく、発信した彼女の本名、住所、生年月日、バイト先、顔写真、取得資格、卒業研究、学籍番号、就職希望先、ブログに書いていた正社員への悪口など、すべてが晒されてしまったのです。

女性の行為はけして褒められることではありません。しかし、これくらいのことをやっている人はほかにもいるのではないでしょうか。明日はわが身。検索と推理から個人情報が丸裸にされてしまうのです。会社を守るだけでなく、従業員を守る意味でもSNSのリテラシーをしっかり教えるのは会社としての使命、責任なのです。