消費をしない「さとり世代」
ハロウィンがこの数年で急激に盛り上がり、バレンタイン市場規模を超えたとすら言われています。それはなぜなのか、疑問に思ったことはありませんか。
こういったイベントが活況な半面、「若者の消費離れ」という言葉をよく耳にするようになりました。しかし、若者の消費離れはここ最近のことではなく、実は団塊ジュニア世代から言われはじめた傾向です。その上のバブル世代の男性はほとんど正社員で就職し、団塊ジュニアも思春期までは景気がよかった。しかし社会に出る時期になると就職氷河期に突入し、非正規雇用者が増え、消費欲が冷えはじめました。
そして消費離れの傾向が完全に定着したのが「さとり世代」です。さとり世代という言葉はもともと「俺たちはゆとり世代ではない。悟ってしまっただけだ」というネットの書き込みがきっかけでできた言葉で、一般的に1987年生まれ以降の世代を指しています。
さとり世代は全体的にお金を使わない傾向があり、お酒やタバコ、海外旅行など、かつての若者が消費したものを消費しない現象がほぼオールジャンルで起こっています。
さとり世代の消費が落ちている大きな要因の1つは「強制」がなくなったことです。先輩に「お前、タバコも吸えないのか」と言われて吸っているうちに習慣化したり、最初は苦いと思っていても「とりあえずビール」で乾杯しているうちに飲めるようになったり。そうした憧れや義務感を含めた広い意味での強制が、いまは非常に少なくなりました。