「2倍の年収の仕事をすぐに紹介された」
「看護師で年収1000万円近く稼ぐ人がいるらしい」
そんな噂を耳にした。さっそく看護師の求人を探すと……確かにあった。「1000万円」の文言も躍っている。
「美容外科未経験OK」
「シフト制で実働8時間」
「正看護師:月給36~70万円」
「年収例:1000万円(月給50万円×12カ月+賞与150万円、夏・冬季+業績報酬金250万円)」
一般的な看護師の平均年収はおよそ470万円。いったいどのような仕組みで平均の倍を超える待遇が可能になるのだろうか。また、一般病院と美容外科とでは看護師に求められるスキルにどんな違いがあるのか。
美容外科は、顔の整形や豊胸、脂肪吸引、脱毛など美容に特化した医療行為を行うクリニックのこと。
施術には身体にメスを入れる手術からヒアルロン酸やボトックス注射によるプチ整形などさまざまだ。いずれも、保険適用外の自由診療のためクリニックによって料金体系が異なり、病院ごとに給与の差が生まれるというわけだ。
▼年収1000万円出せる理由
2年前に病棟勤務だった総合病院から美容クリニックに転職した看護師のAさん(31歳)。医療の現場に立ち、人の命と向き合う仕事にやりがいは感じていたものの、体力的なつらさを感じるようになり転職を考えたそうだ。
「夜勤もなく、もともと興味のあった美容にも携われることが美容外科への転職を考えたきっかけです。前職では年収約400万円。それよりアップすればいいなと転職エージェントに登録したのですが、すぐに倍近い給与のクリニックをいくつか紹介されました」
夜勤がないのに、800万円近くとなれば、かなりの高待遇だろう。エージェント担当者によれば、1000万円前後の年収の案件もたくさんありますよ、とのことだった。
ただ、その担当者から施術の成約や指名件数にノルマがあることや、化粧品の販売など営業的な仕事もしなければならないことを聞かされ、丁重に断りを入れたそうだ。