さて5章の実践のステップで紹介されていたいくつかの方法のうち、「これはいい」と思ったのは、次のものでした。
▼感情的になった瞬間のリストをつくる
≪夜、ゆとりのあるときに、これまでの人生で感情が高ぶったときのことについて、書き出してみてください。良いことも、悪いことも含めて。できるだけ幼いころまでさかのぼって、思い出してください。書き終えたらそのリストを読み直して、それぞれについてできるだけ詳しく思い出してください。(ティッシュをお忘れなく)。
読み終わったらそのリストを消却する儀式を、自分でとりおこなってください。これはリストに書き出した出来事についての埋もれた感情を手放す作業です。≫
私はB5サイズの大きなノートを使い、見開きに、5年間ごとにページを割きました。0~4歳、5~9歳、10~14歳、と進んでいって、45から現在に至ります。
そして左側のページに「いいこと」、右側に「悪いこと」を書くことにしました。
いきなり3歳、4歳の記憶にさかのぼるのも大変なので、まずは「45歳以降」からスタート。40代、あれは何歳だっけ、30代前半ってこんなことがあったんだなどなどと感慨にひたりながら、感情が高ぶった、つまり強く記憶に残っている思い出を、一つ一つ、書き記していきました。
辛いことを思い出すのは、いやなものです。小学校のときに、男の子にいわれた心ない言葉とか。いじめ、いじめられ、といった過酷な学級生活とか。けれどもこのように、ワークだと思って取り組むと、思いの外、淡々と書き出せました。そうそう、あれは何歳よね、ひどいことがあったもんだ、と。
こうして赤ちゃんまでさかのぼると、自分の人生の一大年表ができあがるわけです。次はそれを眺めて、一つ一つについて、詳細に思い出していく作業です。