日本コカ・コーラがセブンPB商品発売

コンビニエンスストア大手に一気に広がったいれたてコーヒーの販売を引き金に、繰り広げられる「コーヒー戦争」が、「第二幕」に突入した。コンビニによる攻勢の煽りで苦戦する缶コーヒー市場をめぐっては、事業撤退が相次ぐ。日本たばこ産業(JT)が今年9月末をめどに、缶コーヒー「ルーツ」を含む清涼飲料事業から撤退し、ネスレ日本も缶コーヒー事業を3月に打ち切った。

一方、最大手で「ジョージア」ブランドを展開する日本コカ・コーラグループは、セブン&アイ・ホールディングスと共同企画した缶コーヒーを4月21日、全国のセブンイレブン、イトーヨーカドーなどで発売した。商品に「ジョージア」とセブン&アイのPB(プライベートブランド=自主企画)商品「セブンプレミアム」の両ブランドを併記する苦肉の策とはいえ、実質的にセブン&アイのPB商品であり、「PB商品は作らない」と豪語してきた日本コカ・コーラにとっては180度の方向転換に違いない。

いれたてコーヒーで「缶コーヒー離れ」のきっかけを作った張本人、セブン&アイの「棚」を借りてシェア拡大を図る姿は、縮む市場を前にプライドをかなぐり捨て、名より実をとった日本コカ・コーラの割り切りがうかがえる。

缶コーヒー市場は縮小基調にあるうえに、市場参加社も多く、優勝劣敗の構図が鮮明だ。コンビニのいれたてコーヒーは、大手5社の販売計画で14年度が13億杯と前年度から倍増が見込まれる。この勢いの差は、缶コーヒー市場で下位に位置する事業社に厳しい選択を迫る。