会議を活性化させる新人の役割

議事録を担当した場合、記入するだけで精一杯だろうが、会議の内容を理解することに努めよう。新入社員に意見を期待していることは少ないので発言は控えるほうが無難だが、自分なりの意見を考えておくのも大切だ。時として「○○君はどう思う?」と聞かれる可能性もあるからだ。

「発言したい場合は挙手をし、指名を受けてから話し始めます。発言は結論を先に述べ、論拠を加える要領で。そうすれば発言は簡潔に終わり“出すぎた感”を与えずに済みます。会議の流れを遮るような発言をしないことは言うまでもありません」

それともうひとつ意外に大事なのが「うなずく」ことだと西出さんは言う。

「すべての発言にうなずいてはお調子者と見られかねませんが、“自分の意見に近い”“いいアイデアだ”などと感じたときはうなずくべきです。発言者にとって自分の意見にうなずく人物がいることは気分のよいもの。それによって会議が活性化することがあります。会議を円滑に進行させる役割を果たすことにつながりますし、自身の会議への参加意欲を示すことにもなります」

会議終了後は出されたコーヒーカップを部屋の隅にまとめたり、ホワイトボードの文字を消すといった後片付け。テーブルや椅子を移動した場合は元に戻すことも率先して行う。また、議事録を担当した場合は速やかにその内容を文書に作成する。

「最初は緊張で忘れることも多いと思いますが、こうした行動を心がけることで上司からの評価にもつながるはずです」

●会議の基本的マナー
1. 事前準備
会議に必要な資料作成、コピーなどを率先して行う。指示がなくても「お手伝いできることはありませんか?」と聞いて、率先して動く。
2. 議事録
議事録担当者が決まっていれば別だが、そうでなければ、議事録を取る役割を買って出る。誰がどんな発言をしたかを記録していく。ICレコーダーへの録音も。
3. うなずく
話者を見てうなずくことは話をしっかりと聞いている姿勢が感じられ、会議にいい空気をもたらす。いわば会議の盛り上げ役。
4. 基本的には聞き役
無理に発言することはないが、新人の意見を求められることはある。チャンスだ。発言できる準備もしておく。

マナーコンサルタント 西出ひろ子
マナーの総合商社「HIROKO ROSE」代表。総合研修で多くの企業を顧客満足度No.1 企業に導く。大河ドラマ『龍馬伝』のマナー指導を担当。
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