この見解に従うと、「ありの~ままの~」と節をつけたつぶやきは、主題歌を連想しやすいので、著作権法違反を指摘される可能性が高まる。

しかし、これはあくまでもJASRACの見方に過ぎない。城所氏は、「JASRACの見解はゆきすぎ。表現の自由との兼ね合いもあり、おそらく実務家の多くは、侵害にあたらないと考えるのではないか」という意見だ。

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フェアユースは経済を活性化する

このように見解に相違があり、法的には安全とは言えない歌詞のつぶやき。悪気はないのだから、もっと気軽につぶやかせてほしいというのがユーザーの本音だろう。

「米国では歌詞をつぶやいても、フェアユース(公正利用)だと認められれば著作権侵害になりません。フェアユース成立にはいくつかの要素がありますが、裁判所がもっとも重視するのは、原作品の市場を奪うかどうか。個人がSNSでつぶやくのはむしろ宣伝になるので、米国ならまず問題にならないでしょう」

日本でも2012年に「日本版フェアユース」を導入しようという動きがあったが、権利者団体側の反対で骨抜きになった。日本でもアメリカと同じように気軽につぶやける環境ができたら、権利者とユーザー双方の利益になると思うが、どうだろうか。

(図版作成=ライヴ・アート)
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