相手の肩書の軽重で頭の下げ方を変えてはならぬが、「仕事の場面」別の謝罪効果を最大化するコツは知るべし。
土下座&丸坊主、大幅値引き……。目に見える形で謝罪アピール
不良品発生となれば、取引先はオカンムリにちがいない。すぐ対応しないと社内的にも大問題に発展するのは必至。となると担当である自分の評価も下がり給料が……と半ばパニックになってしまう人は実際少なくない。だが、即刻お詫びに行ったものの、自分ひとりの勝手な判断でさらに事態を悪化させることもあるのだ。高井・岡芹法律事務所会長で人事・労務専門の弁護士として長年活躍する高井伸夫氏は話す。
「商品の瑕疵、商品違い、納期遅延などで謝罪に訪れた際には、商品交換などについて尋ねられるはずですが、焦って安易な約束をする必要はありません。先方にとっては現場レベルで処理できると感じられるケースもあり、会う前に電話で即答を要求してくるケースもあるでしょう。でも、このような場合、上司の指示なしで判断したり返答したりしてはいけません。迷惑をかけたのが事実なら、すぐに駆けつけ『ともかくお詫びにまいりました。詳細は本日帰社して関係部門と相談のうえ、明日私よりご報告いたします』などと伝えればいいのです」
その後、例えば代替商品を先方に届ける場合は、必ず自分で電話連絡を入れてその旨を相手に伝える。業者が納品する場合にも、自分が同行するか、あるいは立ち会う。そのことで、「最後まで責任をもって対処したという印象を与えられる」と、高井氏は語る。