個別より全体最適を優先し、人・モノ・金を配分できるか

■人心操縦法の決定版!

『人を動かす』
  D・カーネギー/創元社

1937年の初版以降、累計1500万部。言わずと知れた世界的ロングセラーの自己啓発本。人と接する際の基本的な原則をベースに、人を動かすため、「自分が重要視され、評価されている」と、相手に感じさせるようなスキルを教示する。また、操られていると相手に感じさせないようにしながら付き合う基本的な手法も。仕事の中で部下などに好かれる方法、自分の考え方に相手を引き込む方法、相手の感情を害することなく、あるいは恨みを買うことなくその人の考え方を変える方法などを学ぶことができる。

■シリーズ中の最高傑作!

『ビジョナリーカンパニー(2)飛躍の法則』
  ジム・コリンズ/日経BP社

ごくありふれた普通の会社が、有能な経営者に率いられ、めざましい業績をあげた実例をあげ、その要因を分析。「シリーズ4作のなかで最もためになるのが(2)。第1章から読んでもいいですが、おすすめは第5章→第8章→第3章という順番。上司としてすべきことが簡潔に理解できる」(小宮氏)。

■ドラッカーのエッセンス凝縮

『エッセンシャル版 マネジメント 基本と原則』
  P・F・ドラッカー/ダイヤモンド社

ドラッカーがマネジメント論を体系化した大著『マネジメント――課題、責任、実践』のエッセンスを、初心者向けにまとめた入門書。マネジメントの本質や使命がわかり、部下だけでなく、上司への対処法も見えてくる。「完全に理解するため、一度だけでなく数度読み返すべきです」(小宮氏)。

■部下のタイプを知って動かす

『9つの性格』
  鈴木秀子/PHP文庫

心理学をベースに、人は9つにタイプ分けができると解説。例えば、完全でありたい人、人の助けになりたい人、成功を追い求める人、知識を得て観察する人……。自分のタイプを知れば能力と個性を最大限発揮でき、また、部下のタイプを知れば長所と短所を見極めその人に合った対応ができる。

■司令官としての思考と判断力

『戦略の本質』
  野中郁次郎 他/日経ビジネス人文庫

朝鮮戦争からベトナム戦争まで、世界史を変えた戦争を事例にした戦略論、組織論。劣勢ながら逆転勝利した6つの戦いを紹介。それを可能にしたのはそれぞれの軍や組織の司令官などトップの強力なリーダーシップと知恵、部下への適切な対処だったことがわかる。前著『失敗の本質』の姉妹編。

経営コンサルタント 小宮一慶
1957年生まれ。小宮コンサルタンツ代表。十数社の非常勤取締役や監査役も務める。京都大学卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。米留学(MBA取得)などを経て現職。著書に、『ドラッカーが「マネジメント」でいちばん伝えたかったこと』『ビジネスマンのための「勉強力」養成講座』『同「発見力」養成講座』など多数。企業VIP向けの研修・講習会なども開催。
(大塚常好=構成 堀 隆弘、キッチンミノル、早川智哉(本)=撮影)
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