4. 「いい話」に加えない
ホウレンソウをしないで高評価
「報告・連絡・相談」はビジネスのセオリーだが、あえて報告しないで上司を喜ばせる小技がある。
ただしそれは、部下が進める交渉や契約がうまくいきそうな場合にのみ使える。緒方氏は語る。
「トントン拍子に話が進み、あとはハンコを押すだけという最終段階にまで話の詳細を詰めてから、上司に『実は……』とサプライズ報告するのです。交渉時にいい感触を得るとつい途中で上司に報告したくなりますが、そこは我慢。ある日突然、吉報が舞い込めば上司はニコニコ顔になるでしょうね。逆に、避けなければならないのは、『契約まで80%は完了しました』などと順調な進捗ぶりを報告していたにもかかわらず、最後の最後で話がなかったことになるようなケース。肩すかしを食らった上司の部下への評価はガタ落ちです」
5. 枕詞で幻惑する
ワンフレーズで上司が上機嫌に
実際のビジネスシーンでは項目4のケースはレアだ。やはりこまめな「報告」が重要だが、ただ伝えればいいわけではない。そこには流儀が存在する。
「例えば、上司に目を通してほしい資料がある場合には、無造作に書類を突き出すのではなく、『お手すきのときにでも……』『ご承知かもしれませんが、念のため……』といった前置きがあると、上司も読んでやろうかという気持ちになりやすい。ほかにも、『私のような者が申し上げるのはどうかと思いますが』『私が言うのもおこがましいですが』『生意気ですが』といったフレーズも覚えておくべき。そうした枕詞を使える部下が報告上手であり、上司を説得する達人といえるでしょう」(古川氏)
上司は部下のもの言いに意外とデリケートだ。少しでも偉そうな口ぶりをされると、部下に対する微妙な感情のささくれができ、それが態度に出てしまう。
それを回避するためにも、礼儀正しい丁寧なワンフレーズを本題に入る前にちょっと添えたい。