7. 思いつかせる
外部のセンセイ経由で攻略
上司が自分の偏った意見に固執し、部下の提言を受け入れようとしない。仮に部下の案が正論であっても、そんなときは正面突破するのは困難だろう。ならば、どうするのが得策か。
古川氏はこうアドバイスする。
「お客様を味方にしたり、顧問弁護士や契約している経営コンサルタントに言わせたりすると効果が出やすいですね。上司によっては部下からアレコレ言われるとツムジを曲げるのに、そうした外部の専門職や先生の意見に対しては意外と素直に聞くタイプが意外に多いのです」
部下は経験不足で、自分と対等に話せる相手ではない。上司はそう思い込んでいるので、最初から聞く耳を持とうとしないことが多いというのだ。ところが、肩書を持つ社外のセンセイなどはそれなりの知識や見識を持っているので拝聴の姿勢を持つ。一目も二目も置くというわけだ。
「内弁慶のような上司の“習性”を利用して、部下が外部の人に入れ知恵して、自分の提言や企画を代弁してもらうといいでしょう」(緒方氏)
すると上司はどんな反応を見せるかというと、センセイから話を聞くなり、驚くほどあっさりと「なるほど! いいですね」と納得し、プランを前に進めることが多いそうだ。
面白い(というより図々しい?)のは、上司はその後、プランはもともとセンセイからもらったものだとは口が裂けても言わないことだ。あたかも自分オリジナルの案のような顔をして、したり顔で部下に新プロジェクトを実行するよう命令する。部下としては若干腹立たしくもあるだろうが、それでも、まんまと上司に「思いつかせる」ことに成功すれば、それはまさに部下が思い描いたシナリオ通りということになる。時には、裏から手を回して上司を攻略することも必要なのである。