2. 絶対服従を装う
ウソでもいいからYes,sir!
上司がみな有能であるとは限らない。むしろハズレであることのほうが多い。とすれば経営上層部から下りてきた仕事の案件や指示が上司を中継点とすることで、かえって趣旨が歪められたり優先順位が入れ替わったりする可能性はゼロではない。緒方氏はこう語る。
「上司の指示を全部鵜呑みすると“心中”する羽目になります。大事なのは上司の上司など、上層部とパイプをつくり、確かな情報を仕入れることです(項目8を参照)
では、ダメ上司にいかに接するか。
「忠誠を演じるしかありません。エリートコースを走る上司なら尊敬の対象になりますが、そうでなければ業務時間内はこちらが役者になり切るのです。上司の指示が趣旨とズレていても、とりあえずYes,sir! 本心でなくてもよし。上司の方針や考えを聞いてすぐに反発する部下がいますが、いいアイデアではありません。戦っても、得るものはありませんね。不毛なだけです」
面従腹背。それが最善の策である。
3. 「メシの種」ぐらいに思う
「ゼロ円スマイル」で“客”をもてなす
項目2の「絶対服従を装う」を別の言い方にすれば、「上司を客として割り切る」ということになる。
「上司は部下を査定し評価します。その内容次第で部下の賃金や将来の可能性も決まってくる。極論すれば、どんな上司でも顧客、言葉は悪いですがメシの種なのです」
と、緒方氏。媚びへつらうことはないが、メシの種と敵対するのは非生産的だろう。どうせなら味方につけて、客を気持ちよくさせたい。客だと思えば、自然と笑顔になれるかもしれない。「ゼロ円スマイル」で評価が上がり、実入りも増える可能性がある。
ところが、この「客扱い」がなかなか難しい。
「上司を、何でも教えてくれる親や学校の教師のように勘違いする人は多いですね。そういう人はつい上司に依存して、何か与えてもらえないと駄々っ子のように反感を持ち、ストレスがたまってしまうのです」(緒方氏)