受講生同士で刺激を与え合う

時間管理にも意識的になった。

「手帳にスケジュールを細かく書いたり、メールも整理するようになりました。今までは“読み返す必要があれば検索機能を使えばいいや”という調子だったんですが」

朝一番に他業種のビジネスマンでもある受講生たちと触れ合うことで、発想が広がるのもいい。

講義終了。すぐさまチームの全員で、今日の講義内容についてディスカッションに入る。宿題やフィールドワークの相談、情報交換も活発に行われる。「今晩一杯どう?」などとは誰も言わない。

「受講生には、一流企業の社員もいれば、弁護士さんや自営の方もいます。忙しい仕事のかたわら、東北のために何か自分にできることはないかと、安くない受講料を払って参加している。友達としては暑苦しい人たちばかりですが(笑)、こんな機会でもなければ知り合うことはなかったでしょう」

人脈ができるにつれて、フェイスブックを活用するようにもなった。朝大学のクラスは、「地域誘客」「経営強化」「資金調達」などいくつかのチームに分かれていて、チーム別に宿題が出たりする。その打ち合わせにフェイスブックは不可欠なのだ。やがて朝の通勤時間にフェイスブックをチェックするようになった。それぞれがどんな活動をしているか、拾い読みするだけでも刺激になる。

「異業種交流会で出会った人との縁はあまり長続きしませんよね。でもここで会った人たちは、これから一緒に復興という難しい課題に取り組む仲間。この出会いが自分の人生観をさらにアップさせてくれるような気がしています」

●浅井さんの一日

5:30 起床。
6:00 家を出発。移動中に受講者のフェイスブックを閲覧
7:00 「丸の内朝大学」到着
7:15 講義開始
8:15 講義終了後、受講者と情報交換やディスカッション
9:00 会社に向かう
9:30 出社して農業新聞を読むことから業務開始
12:00 昼食
13:00 通常業務
19:00 退社
20:00 帰宅。2歳の娘をお風呂に入れたり「育メン」する
23:00 就寝

(澁谷高晴=撮影)
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