総務省が5年おきに発表している「社会生活基本調査」によれば、2001年、日本人の平均起床時刻は6時42分だった。それが06年には6時39分、11年には6時37分と、“早起き化”がじわじわ進んでいる。
数年前から環境省が朝型生活提案「朝チャレ!」を推進し、出勤前の時間を有効に使う“朝活”という用語も一般的なりつつある今、新たなマーケットとして注目を集めている朝時間。一体、どんなターゲットが存在しているのだろうか。
まず目立つのは、朝の時間を勉強に使おうとする“自分磨き”層だ。市民大学「丸の内朝大学」は開講5年目を迎えて活況を呈しており、名古屋でも「なごや朝大学」が始まった。
また社会人に勉強空間を提供する「勉強カフェ」は、朝7時から使える田町スタジオを11年にオープン。勉強するため出勤前に訪れるニーズは以前から多かったが、「早朝を含めて勉強する会社員がさらに増えている。グローバル化に伴い、特に今年は英語の需要が顕著」(運営会社ブックマークス担当者)という。残業の多いビジネスマンの場合、自分のために使える時間は朝だけという人も多いだろう。「朝は静かで疲れがなく、集中力が高まる時間帯。語学学習にも効果がある」(オンライン英会話教室「カフェトーク」)と、朝時間を活用するメリットは少なくないようだ。
ビジネス自習需要を狙え!
朝時間を利用して、英語や資格取得のための勉強に励むビジネスマンが増えている。
●勉強カフェ
――個室、ロッカー会議室完備!勉強会にも使える
音楽が流れる中、コーヒーなどを飲みながら勉強に打ち込める、大人の勉強空間。勉強カフェの中で1番広い田町スタジオは、朝7時から利用可能で、現在の会員数は200人に。個室、ロッカー、会議室を備え、朝の勉強会に利用する人も多い。
●THE SCAPE(R)
――夜から翌昼まで利用できるお洒落なSOHO
建築家・隈研吾氏が設計したアパートメントが、無線有線LANやコピー機を備えたシェアタイプのSOHOに。18時から翌日12時まで利用できるプランがあり、大都会と緑を一望するラウンジで、ミーティングも可能だ。