能力ある個人と会社を結びつける仕組み

もちろん、企業にせよ、個人にせよ、代金や納期、仕事の質などのリスクはある。そのため、ランサーズではリスク回避の仕組みを用意している。

例えば、代金の授受では、契約成立後にランサーズがクライアントから代金を預かり、仕事が完了してからランサーに支払われる。いわゆる「エスクロー(仮入金)方式」を採用。

仕事中にランサーと連絡が取れなくなると、サポートチームから自動的にメールで連絡を催促し、何度か催促しても連絡がないと契約が破棄される。

また、ランサーのスキルを明確にするために世界標準のスキル認定試験も導入している。IT、デザイン、執筆などのレベルを評価し、5段階でランサーをランク分けする。仕事完了後にランサーとクライアントが相互に評価し合うシステムもある。

秋好は大学時代にサイト構築やネット広告を制作し、フリーランサーとして働いた経験を持つ。

卒業後はIT大手のニフティに入社し、サービスの企画・開発を担当した。

だが、プログラムやサービス開発を外注しようとすると、ニフティが選ぶのは当然ながら安心感のある大手企業が中心だった。コストは高いし、仕事が早いわけでもない。

「学生ベンチャー時代に付き合いのある個人に頼んだら、半分のコストで、もっと早く上げることができるので、上司を口説くんですが、うんと言わない。そんなことを続けるうち、能力のある個人と会社を結びつける仕組みがあればいいと思うようになりました」

当時、そんなマッチングサイトはなかった。そこで、秋好は自分で作ろうと思い立った。2008年3月にニフティを退職すると、仲間と2人で起業し、苦労しながらシステムを開発。同年12月にはランサーズのサービスを開始した。