相続税で押さえておきたい法律はこれ!

インパクトが大きい今回の相続税の増税。大きな改正のポイントは2つ。一つは「税率引き上げ」の見直しで、もう一つが「基礎控除の引き下げ」だ。これにより、亡くなった人のうち相続税納税対象者は、これまでの約4%から7%に広がると予想されている。不動産評価額が高く、富裕層が多い東京では10%が対象になるとの見方もある。

一方で減免措置も拡充される。その一つを紹介すると、「小規模宅地等の特例」だ。自宅の場合は(1)子が親と同居している、(2)賃貸住宅に住む子供が相続後に居住する――など一定の要件を満たせば、相続税を計算する土地評価が80%減らせる。現在、240平方メートルまでの土地に適用されているが、改正後は330平方メートルの土地まで広がる。

また相続で気をつけなければならないのが、親の借金も“相続財産”になること。相続財産よりも借金のほうが多ければ、子供にとっては負の相続になる。その場合には相続開始から3カ月以内に家裁に「相続放棄」の申し立てをすれば、借金をまぬがれる。しかし、相続放棄をするときは、自宅や株などプラスの財産も同時に放棄することになる。親が連帯保証人になっている場合は、連帯保証も相続されるので注意が必要だ。債務者の借金の返済が滞れば、相続人にも支払い義務が生じてしまう。連帯保証も相続放棄できるが、その場合も他の財産は放棄することになる。

借金の有無や保証人になっているかについては、生前にキチンと伝えておいてほしいものだ。相続を“争続”にしないためにも、遺言書の存在は大きい。

黒田尚子(くろだ・なおこ)
CFP、一級FP技能士、消費生活専門相談員
株式会社日本総合研究所に勤務後、1998年FPとして独立。個人向けの相談業務、セミナー・FP講座等の講師、書籍や雑誌・Webサイト上での執筆など幅広く行う。消費者問題にも注力