効果的に話すための7カ条
人前で話す練習のために、自分が話す姿をVTRに撮って、立ち姿、挨拶、歩き方から発声、発音、身振り、それから内容を確認してみる。
「お客様にあわせて言葉を選び、どのようなお辞儀が最適かを考えます。視点の定め方、立ち位置、会場の広さからマイクの音量まで、すべてを計算することが必要になります。そして最終的に大切なのは“間と目”です」と大森さん。
自信がないと間が持てず、間が持てないからよけいに焦ってしまう……といった悪循環に陥ってしまう。それを避けるためには、この連載でも何度もお伝えしたがやはり“練習”に勝るものはない。練習のコツとして、大森さんはこんなことを教えてくださった。
1.言葉の矯正
出にくい言葉や表現を発見し、重点的に練習する。ポイントは、まずは「自分のクセを知る」こと。語尾が上がる、目が泳ぐ……そんなクセを録画や人に見てもらうことで確認する。
2.空気・雰囲気づくり
場に合わせた空気を作るために、入場、立ち位置、聞き手はどんな人かを考え、自分はどういったスタンスで臨むべきかをクリアにする。
3.キーパーソンをとらえる
プレゼン内容の決定権を持つ人、主賓など、その場の重要人物を見極めて話をする。その人の前で一度立ち止まって会釈をするなど意識した行動も効果的だ。
4.セッティングの確認
会場の設定を頭に入れた上で、自分を作り上げる。確認するのは壇上があるか、マイクはハンドかピンマイクか。どこに何面、プレゼンの画面が映るかなどを確認の上で、そこに自分がどのように絡むかだ。
5.聞き手に語りかける
原稿を読まず、自分の世界に入り込まず、語りかけるように話す。
6.自分の価値に一貫性を持たせる
服装、パフォーマンス、会場と自分の立ち位置、話し方、内容までを“見える形”に作り上げ、自信を持つ。
そして、最後7つ目に大切なのは“練習”だ。全体の9割を決めるのは自信であり、最終的に自信をもたらしてくれるのは“練習をした”という安心感だ。あのスティーブ・ジョブズのプレゼンですら数百時間という練習の上に成り立っている。人に伝えたい内容を何も見ないで話せるまで練習をして“自分のものにする”こと。そして、自分だけの見え方から、場面の中にいる自分の見え方までを計算することで、あなたの“伝える力”はみるみるアップするだろう。
[脚注・参考資料]
大森ひとみ『「みかけ」が仕事を決める!』 2012年 世界文化社
Daniel S. Hamermesh, BEAUTY PAYS ; Why Attractive People Are More Successful, 2011, Princeton University Press
NHK「オイコノミア」, 美しくなる経済学!? , 2013年6月21日放送
上野陽子『コトバのギフト~輝く女性の100名言』 2012年 講談社
Daniel S. Hamermesh and Jeff E. Biddle, Beauty and the Labor Market, 2001