酸いも甘いも噛み分けるこの人の、無我夢中に生きた青年期。そこには生きるヒントが詰まっている。

「負けるものか」が口癖になっていた

終戦の年、私は10歳の少年でした。その後、国立音楽大付属高校に入学するため郷里の長崎から上京しました。

確か15歳か、16歳の頃です。実家は比較的裕福だったので、仕送りをしてもらっていましたが、戦後のドタバタでついに親の仕事もうまくいかなくなり、破産。家は没落しました。以来、仕送りは完全に停止しました。