日本企業は“ならでは”の強みを専門化せよ

ここまでシリコンバレーについて話してきましたが、よく聞かれるのは「日本も見習うべきではないか」という議論です。私としては、中途半端にシリコンバレーの真似をするのは意味がない、という意見です。

やるのなら、評価システムから人事制度まですべて変える必要があるでしょう。それこそ社員すべてを3年契約に変えて、その代わり年収何千万円、みたいなことをしないといけないと思いますが、それもシリコンバレーがイノベーションこそすべて、みたいな空気で統一されているから可能なこと。日本でそこまですべてを変えるのはきっと難しいでしょう。

日本企業には少量のロットで精度の高い製品をつくるとか、日本企業ならではの強みはあります。よその真似ではなくて、すでに日本にある素晴らしいものをさらに専門化して、日本流のイノベーションを起こせばいいのではないでしょうか。

(構成=衣谷 康)
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