医療費控除のおかげで保育料6万円減

確定申告をすることで、「○○円トクする」ということがわかれば、確定申告にかける時間と労力の費用対効果を考えて、「それだけ税金がおトクなら頑張ろう!」と思ったり「それだけしかトクにならないのなら、その分は他で節約したり、稼いだ方がいい」と、自分で行動を選択できるようになるのではないだろうか。

そうそう、先日、成人式を迎える娘さんを持つ50代の女性のご相談者さんが、「昔、若い時に医療費の確定申告をしたけれど、500円も返ってこなくて馬鹿らしくなってそれ以来するのをやめた」とおっしゃっていたが、実はこの人はすごく損をしていたかもしれない人だ。

多くの自治体では、保育料を決めるとき所得税をもとにする。その際の所得税は、医療費控除を申告していれば、医療費控除を差し引いた所得税額で計算してくれるところが多いのだ(ちなみに、保育料を決める時の所得税では、住宅ローン控除はなかったものとして計算されるので、住宅ローン控除で所得税がゼロ円になっている人でも医療費控除は油断せずに行っていただきたい)。

たった500円の所得税の還付といえども、保育料の算定基準が1ランクさがり、月約5000円変われば、それで、所得税500円、住民税1000円、保育料60,000円、合計61,500円の差が出る(保育料は自治体によって変わるので各自治体HPで要確認。(*大阪市ではD9ランクがD8ランクになると、月5700円違う。http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000185266.html

このように、医療費控除は所得税だけでなく、住民税の減額や保育料まで影響を及ぼすものだ。

ちなみに、前述の人物が失敗していたのは10数年前……。還付申告を忘れていた場合は、原則5年前までさかのぼれる。 あれっ? と思った人は、年末に整理をして、来年しっかり申告してみよう。

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