近く現物給付の商品が出る可能性も
以上を踏まえ現時点で民間介護保険のお勧めベスト3を挙げるとすれば、表のようになる。
朝日生命の「あんしん介護」は、介護保険、所得保障保険、医療保険、定期保険がセットされた商品であるが、介護保障のみで加入することが可能だ。介護部分は、一時金と年金の両方が受け取れるタイプで給付基準が緩やかであるのが特徴。公的介護保険の要介護1以上で介護終身年金が、要介護3以上で介護一時金が受け取れる。また、要介護1以上で保険料の支払いが免除される。
保険料を安く抑えたいという人に向いているのはAIG富士生命の「愛する家族のために いざという時 こどもの世話になりたくない保険」。給付基準が公的介護保険の要介護4以上と厳しいのが難点だが、その分、保険料負担は安くて済む。給付は一時金だが、特約を付加することで年金での受け取りも可能。
掛け捨てに抵抗がある人はソニー生命の「5年ごと利差配当付終身介護保障保険」がお勧めだ。表の加入例の場合、介護一時金や介護年金の受け取りがなければ死亡時に60万円の給付金が受け取れる。介護一時金や介護年金の受け取りがあれば、受け取った分が死亡給付金から差し引かれる。掛け捨てにならないのがメリットだ。
民間の介護保険は現在、現金給付のみだが、近く現物給付の商品も出てくる見込みだ。金融庁が2013年春、民間介護保険にも現物給付を認めたからだ。民間介護保険は今後、新たな商品が続々と誕生してくる可能性がある。十分見極めて加入したい。
(構成、図版作成=向山 勇)