ほかの女を褒めると、なぜ突然、女は不機嫌になるのか
心理学者 植木理恵さんが分析「知らなきゃ損!女が女を嫌うココロの構造」
男も女も「人から好かれたい」という思いは同じです。好かれたいと思った行動の結果、好かれたり嫌われたりしてしまう。
男集団は、自分とは違う、自分が持っていないものを持っている人を評価します。質の違いを面白がる。逆に女の集団は、似た子が集まる傾向にあります。一般的に集団内での住み分け基準は、男集団は質の差。女集団は量の差といわれています。これがポイント3です。
女集団は同質ですから、ひとつの集団が愛されたり、評価されたりするエネルギー量は一定です。みんなが同じくらい好かれていたら、分け前は均等ですが、ひとりが多く好かれると、残りの人の分け前は少なくなります。だから、集団の特定の誰かが好かれたり、褒められると、女は自分の取り分を侵されると思い、脅威として受け取るのです。ですから女は贔屓に敏感です。
女に向かって、ほかの女を褒めるのは、とても危険です。部下を「あいつ、頑張っているね」と褒めると男の世界では「君は四角だけど、あの丸もいいよね」という意味になりますが、女はそれを「君の丸は小さいけど、あの子の丸は大きいね」と受け取ります。つまり「それはあの人よりも私は頑張ってないと言いたいわけ?」になってしまうのです。自分が絡んでくるのです。自分の領分を侵されたと感じるのです。気をつけてください、男性諸君。
心理学者
植木理恵(うえき・りえ)
1975年、大分県生まれ。慶應義塾大学非常勤講師、臨床心理士として都内総合病院心療内科に勤務。『ウツになりたいという病』ほか著作も多数。
植木理恵(うえき・りえ)
1975年、大分県生まれ。慶應義塾大学非常勤講師、臨床心理士として都内総合病院心療内科に勤務。『ウツになりたいという病』ほか著作も多数。
(遠藤成=構成 高野長英(座談会)、奥谷仁(植木)=撮影 PIXTA=写真)