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事前に売れ残りが予想されるときの原価はこう考える

回転寿司ビジネスを安定させていくためには、次のステージに入る必要がある。ネタの鮮度を上げるのは当たり前。なかには、鳥の唐揚げやコロッケ、ラーメンにデザートのケーキまで出すところまで現れている。それと同時にお客のニーズを満たすため、注文に応じて握る回転寿司店が増えているのだ。

このスタイルについて私は、従来の受注生産に立ち戻ったというよりも、「受注生産の進化系」と捉えている。確かに大量・見込み生産より作業効率は下がるが、注文があったものだけ握るので、食べてもらえずに廃棄処分するロス率が抑えられるメリットがある。もともと大量仕入れで原材料費を安く抑えており、ロス率を減らすだけで利益が大きく膨らむ。

そうはいっても、多少のネタの廃棄処分は避けられない。会計の世界では、それを損失として扱うのではなく、事前に売上原価に含めるのが一般的である。たとえば、250皿分で「材料費=原価」が1万円の場合、1皿分の原価は「1万円÷250皿」で40円。しかし、そのうち20%に当たる50皿分が廃棄処分に回されて、売れるのが200皿と予測される場合、売れ残り分の原価「50皿×40円=2000円」を、売れる200皿に上乗せしてしまう。その結果、原価が10円増えるが、これを会計の世界では「原価を負担させる」という。

どれくらい売れて、廃棄処分がどの程度出るのか。それは経験値でおおよその予測がつくので、それをもとに原価計算していく。ちなみに、実際に売れたのは100皿で、予測より100皿分も廃棄処分が多かった場合には、その100皿分の材料費「100皿×50円=5000円」は営業損失とするのが通常だろう。